Ground Schoolの期間
Pan AmのA320 Initial Type Rating, Ground Schoolコースの場合、以下の通りです。
- Ground School:8時間 x 8日
- Oral Exam :90分 x 1日
Ground Schoolの時間は基本的に8:30〜16:30です。たまに教官都合で早まったり、遅くなったりします。昼食は授業のキリがいいところで1時間ほど取ります。教官によると思いますが、厳密に1時間というより戻ってきたら再開という感じでした。近くには徒歩5分で行けるサブウェイとマクドナルドがあります。
ペアまたはマンツーマンの少人数制
同じタイミングで同じコースを希望する人がいればペアで行うようです。私の時は教官とマンツーマンでした。Pilot Flying(PF)とPilot Not Flying(PNF)に分かれて練習が出来ないデメリットはありましたが、教官に自分のタイミングで遠慮なく質問できたのはとても有意義でした。教官のJohn Sherlockさんはいつも質問を歓迎してくれました。毎日最初の1時間は質問タイムにしてもらい、些細な疑問を含めて全て質問しました。Johnさんは全てに丁寧に答えてくれました。おかげさまで分からない時のモヤモヤした気持ちとは無縁でした。
Pan Amには南米や韓国の航空会社に所属している訓練生も来ており、その方々は大体2人〜4人グループでした。隣でB737NGの訓練を行っていたインドネシアから来た方は、私と同じく1人でした。
メインの使用教材は「CPaT」
Ground Schoolは「CPaT Learning Management System」(以下CPaT)を使って進みます。
CPaTはパワーポイントのようなものです。「Engine」、「APU」、「Fuel」と言った感じでシステムごとにまとめられていて、1ページづつめくって進みます。オンライン教材なので、PCでもタブレットでもアクセスできます。CPaTならではの特徴が下の2つです。
- ページ下部に字幕が表示されていて、右下の再生ボタンを押すと音声が流れる
- アニメーションが流れたり、スイッチを押すと表示が切り替わったりするので、動きを見ながら学習できる
CPaTをスクリーンに映しながら、教官が再生ボタンを押して音声を流します。動かせるスイッチなどがあれば操作して見せてくれます。また、適宜解説を入れてくれたり、エアラインでのオペレーションを教えてもらえたりします。
CPaTの他に、紙ベースの
- Flight Crew Operating Manual(FCOM)
- Flight Crew Training Manual(FCTM)
- Quick Reference Handbook(QRH)
- Lights and Switches Guide
- Instrument Panelポスター
が提供されます。FCOMとFCTMはレンタル、それ以外はもらえます。
Oral Exam対策
Oral ExamはGround SchoolとFixed Based Simulatorが終わった訓練10日目に、FAA Checkerによって実施されます。出題範囲はLimitation、Memory Item、Systemの3つです。Oral Examで出題される問題は「ここは出るぞ」と教えてくれるので、しっかりおさえておきましょう。
Airbusdriver.net
CPaTに加えて活用していただきたいのが、Airbusdriver.netにあるOral Exam対策資料です。Airbusdriver.netはAmerican Airlinesの現役キャプテンであるBob Sanfordさんが提供しているAirbusの学習サイトです。Oral Exam対策資料の格納場所は、
上部の「Downloads」→「Type Rating Oral Guide」→「 TypeRatingOral.doc 」です。
Johnさんに「この資料をよく勉強しておくように」と言われ続けたのですが、出題範囲のほぼ全てがカバーされていて本当に役に立ちました。なお、注意点が2つあります。
- Limitationの数字はPan Amのものを使う
- 分量が多いので時間と相談しながら活用する
申し送り
実際のOral Examで出題された問題を全て記載した申し送りをPan Amの日本人スタッフの方に渡しています。Pan AmでA320の訓練を開始する際は受け取ってください。
CPaT、Airbusdriver.netの資料、申し送りの3点を組み合わせれば、Oral Examは問題無いと思います。
次回はSimulator課程について書きます。
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