Pan AmのB737 Reduced Trainingを修了された方から訓練内容の掲載許可を頂いたのでご紹介します。
概要
Pan Amでのスケジュールは以下の通りです。
- ATP-CTP Ground School :4日(1日8時間、最終日のみ6時間)
- ATP-CTP Simulator :2日
- ATP-CTP Written Exam :1日
- B737 Ground School :2日(1日8時間)
- B737 Simulator :2日(1日4時間) ※SOLO訓練の為
- Oral & Check Ride :1日
マイアミには16日間滞在しました。
NPNP(No Partner, No Problem)で申し込み、ペアの訓練生がおらずSOLO訓練(PMも教官)となった為、訓練日12日、オフは中日の日曜日のみというかなりタイトなスケジュールでした。SIMの稼働状況やアサインされるPMの都合などで、スケジュールが変更される可能性があります。
ATP-CTP Written Examまでの内容は、すでにA320やB767のTrainingガイドで紹介されている通りです。
B737 Simulator
訓練・審査はKJFK発KBOS行きですが、使用するチャートはKJFKのみでした。ATP-CTP SIMの初日に教官にリクエストしてチャートを貰って下さい。また必要であれば、FCOMやQRHも各型式のGround Schoolまでに借りて下さい。
SIM訓練の内容に関しましても、A320やB767のTrainingガイドで紹介されている通りです。B767 Reduced Trainingガイドの中にもあるように、LOC 4R Circle to Land 31R(Low VIS)は難しいです。
CDU FIX Pageの活用、また31RへのBreak Heading、Break HeadingでRollout後何秒飛行するか、その後のTODなど、機種によって異なると思うので、教官に聞いてください。
B737の場合、私の教官の指導はRWY視認後、HDG100°、旋回終了後25秒飛行。L Turn HDG045°(数秒)、降下、ND上の31Rの延長線にアラインするようRWY HDG315°へ左旋回するとAPCH LGTが見えてきます。
なお、KJFK周辺の空域や地形(街や障害物)も分からないので、Engine Failure After V1の飛行方法も確認して下さい。
とても期間の短いシミュレーター訓練です。教官のアドバイスを受け入れ訓練を進めていくことが、チェックでの1発合格に最も近道だと感じました。
日本でのやり方と違う点が随所にあります。ICAO、PANS OPS、Boeing Recommend Procedure、FCOMやQRHのGeneralなど各規程を調べて臨む時間はありませんでした。
Check Ride
チェッカーはGeorge Loutrarisさん。とても良い雰囲気で信頼できます。
Check Ride当日の書類審査で必要なものは以下の通りです。
- ATP-CTP Graduation Certificate (ATP-CTP SIM終了後に取得)
- FAA Airman Knowledge Test Report (ATP Written Exam合格後に取得)
- Passport
- IACRAのログインIDとPW(現地で登録)
私は紛失盗難防止の為、JCABライセンスはコピーしたもののみ持参しましたが(Verification Letter所持の為)、現地で何度かスタッフに確認を求められ、その度にヒヤヒヤしましたので、ライセンスとログブックの持参をお勧めします。実際はコピーのみで大丈夫でした。
オーラルは、、、引き継ぎ出来ることがありません。
Limitation、QRH Memory Item、システムなど勉強して臨みましたが、正直、パイロットでなくても答えられるレベルの内容でした(笑)
内容
- KJFK to KBOS
- Push Back中にAborted Engine Start(Hot Start)
- Back to Normal
- Departure 31L → After Departure Radar Vector
- Steep Turn
- Traffic Avoidance(TCAS RA)
- Unusual Attitude Recovery
- Stall Recovery3種類(Level Off Stall, Turning Stall, LDG Configuration Stall)
- Radar Vector to LOC 4R Circle to Land 31R
- Full Stop
- Departure 4R → Engine Failure RTO
- Reposition 4R → Engine Failure After V1
- Radar Vector to 1 Engine ILS 4R
- Missed Approach
- Radar Vector to 1 Engine ILS 4R & LDG
- APU Fire During Landing Roll then Evacuation
非常にボリュームが多いですが、手際よく進めて頂き、1時間半程度で終了しました。
終わりに
マイアミでは、日本であまり無いようなサプライズがたまにあります。
訓練申し込みの過程や現地での訓練中において、不安に感じることも多々ありましたが、その度に日本人スタッフの方にサポートしていただき、疑問や不安は解消され、訓練に集中出来ました。また、現地スタッフもとても友好的で、私の拙い英語にもしっかり耳を傾け、助けてくれます。
Pan Amスタッフ皆様への感謝と、FAA ATPL取得を検討されている日本人パイロットの方々への一助となればと思い、投稿させていただきます。
情報を共有していただきありがとうございます!
コメント
はじめまして。
FAAはR-ATP(TYPE無し)資格で
日本ではB737NG資格を持つものです。
JCABの資格はあるのにFAAにTYPEが無いのもなあと思い、
休みを取ってPanAmで訓練を受けようかなーと考えている者です。
詳細な情報を提供してくださっていて参考になりました^^
ありがとうございます。